トライオートETF

【トライオートETF】FASの上場廃止(繰上償還)リスクについて検証

【トライオートETF】FASの上場廃止(繰上償還)リスクについて検証

こんにちは、辺野もへじです。

前回ご好評いただきましたTQQQの上場廃止リスクの記事に続き、今回はトライオートETFで人気のあるFAS(金融株トリプル)の上場廃止リスクについて調べました。

詳細な上場廃止要因については、前回のTQQQの上場廃止リスクについての記事をご参照ください。

【トライオートETF】TQQQの上場廃止(繰上償還)リスクについて検証今回は上場廃止のリスクについて、海外の記事を中心に調べました。本記事では調査結果をご報告いたします。...

現在FASを運用していたり、運用を検討されている方の参考になればと思います。

FASとは

FAS(Direxion Daily Financial Bull 3X Shares)はETF発行会社『Direxion』が発行する3倍レバレッジ型ETFです。

FAZ(Direxion Daily Financial Bear 3X Shares)というFASとは真逆に動く3倍インバース型ETFもあります。

連動する指数はラッセル1000種金融サービス株指数(金融指数)で金融銘柄で構成されております。

ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイなどが含まれております。

※ラッセル1000種金融サービス株指数自体に投資はできないようです。

SNSを観察した肌感覚ではありますが、トライオートETFではTQQQの次にFASが運用されている気がします。

【TQQQとの値動き比較】

せっかくなので、現在私が運用しているTQQQと値動きの比較をしてみました。

Bloomberg オレンジ:FAS ブルー:TQQQ

直近1年で見ると、TQQQと同様激しく上下しながら右肩上がりで上昇しています。最近では国債の金利上昇もあったので、一時的に逆相関の動きをすることもありました。

Bloomberg オレンジ:FAS ブルー:TQQQ

ただし、5年で見るとその差は歴然です。

TQQQはとっくにコロナ前の価格を超えておりますが、FASはようやくコロナ前に戻ってきた状況です。

金融会社の宿命でもありますが、〇〇ショック時にTQQQ以上に暴落し、経済が回復して投資先の株価などが戻るまでは苦しいですね。

確かに1日単位で見ると、TQQQと交互に上下を繰り返しているので逆相関になっていると錯覚する時もあります。

しかし、長期目線ではTQQQと相関関係があるので、似たような値動きをします。

TQQQと比べてFASは伸び率は微妙で、ショック相場にも弱いので、TQQQのリスクヘッジにはならないと個人的には考えております。

そのため現在のところ、強いてFASを運用する理由はないかなと考えております。(^_^;)

Direxionの上場廃止ETF(2020年)

Direxionも他のETF発行会社と同様、ETFの上場廃止をしております。

2020年は合計27のETFを廃止しております。

上場廃止4つの要因におけるFASの数値

ETF上場廃止要因①:ETFの運用資産(AUM)

数億ドルにも及ぶような運用資産(Assets Under Management)が高いETFは、収益性が高すぎて上場廃止できません。

AUMが5,000万ドルを超えるETFは上場廃止リスクがかなり低いと言われています。

FASのAUMは30億ドルあるので、5000万ドルは優に超えております。

FASのAUMランクは約2400のうち、284位でした。

ひとまずAUMに関しては安心といったところでしょうか。

ETF上場廃止要因②:ETF発行会社の規模

①以上に重要なのが、ETF発行会社の規模であると言われています。

これまで上場廃止となったETFのほとんどの要因が、ETF発行会社がETF事業から撤退したことが要因であるとされます。

つまりETF発行会社が大きければ大きいほど、突然ETFが上場廃止になるリスクが少ないと考えられます。

【ETF発行会社:運用資産ランク(約170社)】

【ETF発行会社:収益ランク(約170社)】

FASの発行会社である『Direxion』は約170社のETF発行会社のうち、

運用資産ランク:15位

収益ランク:9位

ETF発行会社としては、トップ層と言って良いでしょう。

ETF上場廃止要因③:セグメント内のETFのランク

同様の商品を扱うETFが多い場合、その中でAUMランクが低いETFは廃止される可能性が高くなります。

これはETF発行者が競争力のないETFを戦略的に廃止するということです。

逆に言うと、唯一性があり、ある程度人気があるETFは廃止されづらいということになります。

同じカテゴリーのETFはありませんでした。

FASは唯一性があると言えるでしょう。

ETF上場廃止要因④:ETFの取引量

活発に取引されているETFは上場廃止しづらいと参照にした記事では述べられております。

平均取引量が少なくとも1,000万ドルあるETFを選ぶべきと書かれておりました。

FASの1日の平均取引量は2,207,524口

4月18日現在の価格は101ドル

2,207,524口×101ドル=およそ2億ドル

1日の取引額としては十分と言えるのではないでしょうか?

FASの上場廃止リスク総括

ETFの上場廃止要因

①運用資産(AUM)

→FASは30億ドルで284位(2,400中)

②ETF発行会社の規模

→Direxionは運用資産ランク15位、収益ランク9位(170社中)

③セグメント内のETFランク

→FASはのラッセル1000種金融サービス3倍レバレッジというセグメントでは唯一の存在

④ETFの取引量

→TQQQの平均取引量は2億ドル

これらのことからFASもTQQQと同様、数値だけで見れば上場廃止の可能性は低いと思われます。

前回と今回提示したデータは記事作成時点のものであり、上場廃止要因も引用元の記事に基づくひとつの意見になります。

あくまで参考程度にしていただければと思います。

辺野もへじ

TQQQもFASも規模が大きいETFなので、3倍レバレッジ型だからと言って、上場廃止を過度に恐れる必要はありません。

通常の投資と同様に適度に恐れながら運用していきましょう。

それではまた。

当ページに掲載している情報については、その正確性・安全性等を保証するものではなく、あくまでも参考情報の提供のみを目的としており、特定の投資商品の購入・売却を勧誘するものではなく、また取引の安全性を保証するものではありません。

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