
注文範囲下抜け時の『攻めの損切戦術』について【トライオートETF】
こんにちは、辺野もへじです。
2022年1月末現在、NASDAQ100構成銘柄を始めとしたハイテク関連株が軒並み下落し、トライオートETFでTQQQを運用されている方は苦戦を強いられていると思います。
主たる要因は金融緩和の終了と言われています。下落要因の詳細は様々な方が解説されているので、そちらを参考にしてください。
特に2022年は利上げを強く推し進めることも推測されており、株価の長期低迷も危惧されております。
そのような状況下において、現時点で注文範囲を下抜けしているトラクラの皆様は1円も生まない期間が長引いてしまうのでは?と不安視されている方もいらっしゃると思います。
その状況を打開する1つの選択肢として『攻めの損切戦術』をご紹介いたします。
今後の相場によっては結果的に損をする場合もありますので、戦術を実行する際はリスクを理解した上で実施していただきますようお願いいたします。
概要
戦術の概要を一言で表すと、「高値ポジションを損切した残金で、現在価格付近に自動売買を仕掛ける」というものです。
おおぬまおろちさんにご紹介いただいたトラリピの動画の解説がわかりやすかったので、まずは下記動画を参考にしてください。
動画はFXですが、リピート系自動売買では共通のことが言えます。
運用比較
TQQQにおいて高値から下落し、長期で下抜けしていた期間(2018年10月1日~)を例にとって比較検討します。

上記期間において高値から20%の範囲に注文を仕掛けていたとすると、2018年10月22日~2019年3月19日までのおよそ5か月間、1円も生まない時期が発生しております。
加えて高値付近のポジションに限って考えると、およそ1年1か月掴まっている状況でした。
もちろんこの間は保有ポジションに応じて金利が発生するので、少額ながらも資金が削られ続ける状況にも陥っております。
この状況に対し、3つの選択肢があると考えております。
①保有継続

一番無難な選択肢です。
特にTQQQは上昇力が強いので、すぐに高値圏まで戻って来る可能性もあるため、結果として何もしなかった方が得な場合も十分あります。
ただし低迷が長引くと金利で削られる上に、注文範囲の下抜け期間は1円も利益が発生しません。
【メリット】
- 短期間で高値に戻ってきた場合、②③と比較して得する可能性がある。
【デメリット】
- 長期間低迷した場合、金利で削られ続ける。
- 長期間低迷した場合、1円も利益が発生しない。
②損切した残金で保有し直す

損切した後に更に下落し、そこでポジションを持ち直すことで、最終的に元の高値付近に戻った際にプラスになっている可能性がある。
【メリット】
- 保有し直すポジションによっては、①と比較して得する場合がある。
- 損失が確定するので、損益通算や繰越控除が利用できる(納税の先延ばし)。
【デメリット】
- 保有し直すポジションによっては、①と比較して損する場合がある。
③損切した残金で自動売買

これが今回の『攻めの損切戦術』です。
低迷期間が長ければ長いほど、①②と比べてプラスになる公算が大きいです。
ただし、すぐに価格が戻った場合はリピートによるこまめな利確額よりも①②のガチホの方が良い結果になる場合があります。
【メリット】
- 低迷が長引けば、①②と比較して得をする可能性が高い。
- 1円も利益を生まない期間が少なくなる。
- 損失が確定するので、損益通算や繰越控除が利用できる(納税の先延ばし)。
【デメリット】
- 短期間で価格が戻った場合、①②と比較して損をする可能性がある。
選択肢に正解、不正解はありません。
どれがベストの結果を出せる選択肢になるかは、結果が出るまでわかりません。
具体例
1月末現在の私の注文は下記の通りとなっております。

⑥を例にすると、91万円の資金に対し、含み損が46万円発生しております。
※取引価格は上窓約定したので、若干ズレています。

この段階で損切したとすると、
91万円-46万円=45万円
45万円が残金となります。
この45万円を使用して現在の価格付近の範囲に注文を仕掛けることになります。
現価格が50ドルだとすると、45ドルを使用して下記のように仕掛け直します。

損失を利益確定が上回るのが先か、元の価格に戻るのが先か、値動きによって戦術の成否が変わります。
懸念事項
『攻めの損切戦術』を実行する上で、認識しておくべきことがあります。
トラクラ内でも一時話題になりました利確幅についてです。
私の過去の検証でも利確幅は広ければ広いほど、利益が大きくなると結果が出ております。

つまり翻って考えると、利確幅は広い方が有利ということは、損切した残金でこまめに自動売買をするよりも、保有し続けて元の価格に戻るまで待った方が得になる可能性が高いということも示唆されております。
保有継続±0>確定損失額+自動売買利益
そのため、下抜けしているからといって全てを損切するのは、あまりにもリスクが大きすぎると考えております。
『攻めの損切戦術』を実行するのであれば、高値で掴まったトッピングなど、一部に抑えた方が無難であると思います。
下抜けしているからと言って、全てのポジションを損切して、注文を仕掛け直すのはおすすめしません。
まとめ
下落基調のNASDAQ100ですが、かねてからの考えは変わらず、長期目線で見れば上昇し続けると考えております。
5年、10年のスパンで見れば、今回の下落などは非常に小さな出来事であるとも思っております。
そのため基本戦略を変えるつもりは毛頭ありませんが、一方で効率的な資産運用を目指しているため、ちょっとした工夫で資金効率が上がるのであれば、手間を惜しまずに取り組みたいと考えております。
今回の『攻めの損切戦術』は吉と出るか、凶と出るかはわかりませんが、高値で掴まっている一部トッピング分の資金であれば、試しに実施してみる価値はあると思います。
正直、私自身まだ実行するか迷っていますが、相場の様子を見て決めようと思います。
今回はあくまで選択肢の紹介という目的で記事を書きました。参考までに。
とはいえ、せっかく大きめの下落に遭遇したので、良い機会と捉え、実行する方に傾きつつあります。
実際に始めた場合は、効果検証もしていきたいと思います。
それではまた。
当ページに掲載している情報については、その正確性・安全性等を保証するものではなく、あくまでも参考情報の提供のみを目的としており、特定の投資商品の購入・売却を勧誘するものではなく、また取引の安全性を保証するものではありません。
投資・売買に関する最終決定はご自身で判断いただきますようお願いいたします。