トライオートETF

【トライオートETF】FASの最適注文範囲について検証

【トライオートETF】FASの最適注文範囲について検証

こんにちは辺野もへじです。

今回はFAS(金融株トリプル)の最適注文範囲について検証しました。

現在、私はFASを運用しておりませんが、今後万が一、トライオートETFでのTQQQ取り扱いが完全終了した場合に備え調べました。

正直、TQQQが完全終了する事態になれば、同じレバレッジ型商品も同様の道を辿る可能性はあります。

恐らくその事態も見越して認定ビルダーの方々に「レバレッジ型商品以外」で検討してもらったと思われます。

そのためこの検証も徒労に終わる可能性がありますが、勉強と割り切ってご紹介させていただきます。

以前紹介したTQQQの最適注文範囲に関する記事は下記になります。

【トライオートETF】TQQQの最適注文範囲について検証(設定案公開)今回は現在私が運用するTQQQの最適注文範囲について検証いたしました。過去10年のデータを基に、どの範囲に注文を仕掛けるのが最も効率が良いのかを調べ、最後の設定案をご紹介いたします。...

FASとは

FAS(Direxion Daily Financial Bull 3X Shares)はETF発行会社『Direxion』が発行する3倍レバレッジ型ETFです。

FAZ(Direxion Daily Financial Bear 3X Shares)というFASとは真逆に動く3倍インバース型ETFもあります。

連動する指数はラッセル1000種金融サービス株指数(金融指数)で金融銘柄で構成されております。

ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイなどが含まれております。

※ラッセル1000種金融サービス株指数自体に投資はできないようです。

SNSを観察した肌感覚ではありますが、トライオートETFではTQQQの次にFASが運用されている気がします。

FASの上場廃止リスクについては下記参照

【トライオートETF】FASの上場廃止(繰上償還)リスクについて検証 【トライオートETF】FASの上場廃止(繰上償還)リスクについて検証 こんにちは、辺野もへじです。 前回ご好評いた...

3倍レバレッジだけあり、ボラティリティはトライオートETF扱い商品の中でTQQQの次に大きく、非常に自動売買向きのETFと言えるでしょう。

各ETFのボラティリティについては、こゆきさんが詳しく調べてくれておりますので、そちらを参考にしていただければと思います。

過去10年のデータ検証

基本的には右肩上がりではありますが、TQQQと異なり、下落から元の価格まで戻るスピードが遅い傾向があります。

理由は定かではありませんが、投資会社が多いので、市場が下落している時は投資先の株価が下落しているため、一緒にまたはそれ以上に暴落してしまうのかもしれません。

回復が遅いのも、投資先の株価が回復してからの回復になっているのかもしれません。

※あくまで私の個人的な意見です。

注文範囲について

注文範囲についての考え方は基本的にはTQQQと同じで下落を効率良く拾う設定が良いと考えております。

しかし前述の通り、下落時の回復が遅いので、現在を高値と考えるのであれば、自動売買はせずに下落時に裁量取引で拾うのも良い手法だと思います。

①広い注文範囲

上図のように、大きな下落も考慮して広い範囲に注文を仕掛けると、暴落時にかなりの安値まで拾うことができますが、頻度は多くありません。

普段はどうしても未稼働の注文が発生してしまいます。

②狭い注文範囲

一方で上図のように注文範囲を狭くすると範囲内で動く限りは資金効率が良くなります。

しかし、少し大きな下落が起こると、注文範囲を下抜けしてしまい、安値を拾い損ねてしまいます。

また下落先でヨコヨコ展開となってしまうと、その間は利益を生んでくれません。

③理想的な注文範囲

理想的には上図のように、注文範囲の最下限で拾うことで注文がフル稼働し、資金を効率的に運用することができます。

過去の相場を分析することで、限りなく理想的な範囲を追い求めて検証します。

過去11年の値動き

【前月高値から翌月安値への下落率(2010年4月~2021年3月)】

上表は過去11年分の月足の数値データになります。

前月高値から翌月安値までの下落率を算出しました。

結果をグラフにまとめると以下の通りです。

上表は合計132か月(11年)における前月高値から翌月安値の下落率を回数でまとめたものになります。

ご覧の通り、最も多い下落が《-5~-10%》、次に多いのが《-10~-15%》になります。

傾向として同じ米国株だけあってTQQQに似ております。

それぞれの回数と比率の数値は下表の通りです。

FASはTQQQと比べ暴落時は大きく、回復も遅いことがデータからもわかります。

ここは設定時に十分注意しなければなりません。

FAS設定案

資金配分案はTQQQと全く同じです。

ただし、前述の通り大きく暴落し、しばらく低迷する可能性があります。

そのためTQQQと同じく《下落率-35~50%》の資金を《下落率-20%》の部分に充てるといったような上値への集中投資をすると、暴落時に注文範囲の外で推移し、何も利益を生まない期間が長くなる可能性があります。

【コロナ時の下落(FAS)】

【コロナ時の下落(TQQQ)】

上の図のように、コロナショックの際はFASが7年前の価格まで暴落したという事実があります。

そのことからも〇〇ショックへの弱さは軽視するべきではないでしょう。

そのあたりは個人のリスク許容度の範囲で戦術を練っていただければと思います。

FAS設定総括

どうしてもリピート最強のTQQQと比較してしまうと欠点が浮き彫りになってしまうFASですが、決してFASへの投資を否定している訳ではありません。

〇〇ショック時は別として、平常時はTQQQと逆に動いてくれることもあり、日々の成績を安定させたい方にとっては有益です。

また〇〇ショック時に大きく暴落するということは裁量で上手く底で拾うことができれば、お宝ポジションとして大きな利益を上げられる可能性もあります。

トライオートETFの取り扱い銘柄の中で、TQQQに次ぐボラティリティは最大の長所です。

私自身はTQQQが続く限りはFASに手を出す予定はありませんが、万が一TQQQが取り扱い停止し、FASが生き残るようなことがあれば、次の運用の最有力候補です。

ただしその際は他の銘柄と併用しての運用になると思います。

辺野もへじ

皆様の資産運用の参考になればと嬉しいです。

それではまた。

当ページに掲載している情報については、その正確性・安全性等を保証するものではなく、あくまでも参考情報の提供のみを目的としており、特定の投資商品の購入・売却を勧誘するものではなく、また取引の安全性を保証するものではありません。

投資・売買に関する最終決定はご自身で判断いただきますようお願いいたします。