
【トライオートETF】TQQQのリスクを考慮したロスカットレートの検証
こんにちは、辺野もへじです。
今回はロスカットレートについて検証いたします。
これまで、私はTQQQをロスカットレート0ドルで運用してきました。
TQQQはハイテク銘柄が中心で、GAFAMが大きな割合を占めるため、基本的に上昇傾向の力強い銘柄です。
そのため0ドルまでリスクを見なくて良いのではないかと考え、ロスカットレートの引き上げを検討しました。
またトライオートETFは一律5倍のレバレッジが掛かっているため、ロスカットを0ドルまで考慮してしまうと、現物取引と比べて必要証拠金が余計にかかってしまうので、損した気分になるのもあります。
折角レバレッジ5倍の特性があるのであれば、少しでも活かそうと考えた次第です。
とはいえ、私は慎重派なので、資金効率を求めつつも最大限リスクを考慮した設定にしたいと思い、今回の検証をしました。
皆様がロスカットレートを設定する際の参考になればと思います。
必要証拠金とロスカットレートについては下記を参考にしてください。

みんなのロスカットレート
BEVELLE(ベベル)さんがTwitter上でロスカットについてアンケートを取ってくださいました。

8月末時点でTQQQ価格は140ドル付近を推移している中、
379名の方が回答したアンケートにおいて0ドルが最も人気なロスカットレートでした。
有名インフルエンサーの方々が0ドルで運用しているのも影響していることでしょう。
私もいろいろなインフルエンサーの方を参考にしていたので、ずっと0ドルで運用してきました。
個人的に81ドル以上に仕掛ける猛者が結構いることに驚きました。
しかし、そうした方は恐らく『暴落時にロスカットレートを引き下げる用の余裕資金がある』もしくは『サブの少額投資として攻めの運用』であるはずなので、安易に真似しないようにしましょう。
結果だけでなく、それぞれの方の背景も考慮した方が良さそうです。
ロスカットレートの検証
アンケートの結果を踏まえ、今回検証するロスカットレートの前提条件を決めます。
- 暴落時に追加投入できる資金は0円
- 大暴落に耐えられる
- ①②を満たした上で最大の資金効率を目指す
ロスカットや利確幅を求める際には価格ではなく、%で求めましょう。
TQQQは株式分割を繰り返しているので、価格表示は当時と異なります。
価格だけで見ると本質を見誤る結果となり兼ねませんので、注意してください。
①最大下落率の検証
まずはTQQQの最大下落率を確認します。

10年間において、一番大きく下落したのは2020年2月から2020年3月に掛けてのコロナショックです。
最大で72.7%の下落をしました。

やはり直近の暴落だけあって、追加資金がない前提でコロナショックを考慮から外すのは無謀でしょう。
よって、最大下落率は余裕をもって75%を前提とします。
考慮する最大下落率:75%
【追記】ITバブル崩壊について

2000年のITバブル崩壊時はNASDAQ100が最大83.5%下落しました。
TQQQは1日あたり3倍の値動きをするので、もしこの時にTQQQが存在していたら、多くの方が退場していたことでしょう。
ただ私はITバブルほどの暴落は今後起きないのではないかと考えております。
ITバブルは英語で「dot-com bubble(ドットコム・バブル)」と呼ばれ、IT関連というだけで実態を伴わず高騰していきました。
当時はまだIT黎明期の玉石混淆の時代です。
しかし、現代はIT市場は成熟しながらも次へ向けて成長し続けております。
それは実態の伴わない虚業ではなく、人々の生活インフラとして根付いています。
特にNASDAQ100の中心となるGAFAMは人々の生活になくてはならない存在です。
これらの企業のサービスが、ある日突然不要になるでしょうか?
GAFAMを上回るサービスが世に普及し、GAFAMが凋落したとしても、それらの革新的な新たな企業がNASDAQ100の構成銘柄に組み込まれるだけで、ITバブルほどの大暴落は起こらないはずです。
このことから私はITバブル崩壊は考慮から外しました。
そもそも論として、ITバブルを考慮に入れるのであれば、TQQQに投資すること自体が危険ということになりますしね(^_^;)。
②必要証拠金の検証
次に必要証拠金についても検証する必要があります。
以前の記事でもご紹介した通り、必要証拠金は前日終値によって決まります。
そのため前日終値から急激に下落したとしても、必要証拠金は前日終値を基に算出されます。
1ドル=110円とすると、
20ドル=2,200円の必要証拠金:500円
30ドル=3,300円の必要証拠金:700円
つまり、前日終値30ドルの場合は700円の証拠金が必要になります。
例)ロスカット:20ドル、必要証拠金:500円で設定した場合、
前日終値30ドルから急落すると、証拠金700円が必要となり、20ドルよりも高い価格でロスカットされてしまいます。
詳細は下記参照

特にロスカットレートに近づくほどの下落は、〇〇ショックといった大きく急激な暴落が想定されます。
そこで暴落局面における日別の前日終値→翌日安値の下落率を参考にします。
検証対象は最大下落を記録したコロナショックの期間です。


上表の通り、コロナショック時の前日終値→翌日安値の最大下落率は29.1%であることがわかりました。
よって、前日終値→翌日安値の下落率を30%を前提とします。
考慮する前日終値→翌日安値の下落率:30%
ロスカットレートの設定
ロスカットレートを決めるにあたって、前述の下記2点に耐えられる設定にします。
- 最大下落率:75%
- 前日終値→翌日安値の下落率:30%
【設定例】TQQQ価格:140ドルの場合
①最大下落率からロスカットレートの算出
140ドルが75%下落した価格
140ドル×25%=35ドル
ロスカットレート:35ドル
②ロスカットレートから前日終値の算出
30%下落して35ドルになる前日終値
35ドル÷70%=50ドル
前日終値:50ドル
上記算出結果を基に、皆様の設定に合わせた必要資金を算出いたします。
ここでは私の《必要資金算出表》を使用する例を挙げます。

皆様の設定を入力した後に、赤枠で囲った項目にそれぞれ算出した数字を入力していきます。
※あくまでTQQQ現価格140ドルと仮定した例です。
これでロスカットレートと前日終値を考慮した設定と必要資金を導き出すことができます。
ロスカットレート総括
- 最大下落率:75%
- 前日終値→翌日安値の下落率:30%
上記2点を考慮することで、リスクに最大限配慮した設定となる。
今回の結論は、過去の数字データから導き出したものなので、これが万能であるとは思いません。
あくまで参考としていただき、あとは個人のリスク許容度や資金量に合わせて調整していただければと思います。
私は今回算出したデータを基に設定し直します。
既に0ドルで仕掛けているので、ロスカットレートの引き上げによって生まれた余剰資金をトッピングという形で投入予定です。
皆様の参考になれば嬉しいです。
それではまた。
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