
《トラリピVSトライオートETF》利益を再投資するならどっちが効率的?
こんにちは、辺野もへじです。
今回は資産運用で発生した利益を再投資に回す場合、トラリピとトライオートETFのどちらが効率的に資金を活かせるかを検討してみました。
利益の再投資と銘打ってますが、これは月々の少額入金も同じです。
数万円の資金をどちらに、どのように追加するのが良いか。
私なりに比較検討した結果をご紹介いたします。
もしも両方を運用している方がいらっしゃれば、参考にしてみてください。
再投資方法
利益や追加投資で発注できる分だけ、現在の値動き付近に追加注文する手法。いわゆるトッピングです。
こうすることで、追加してすぐに資金が稼働することになり、非常に即時性のある手法です。

しかし、トラリピとトライオートETFではトッピングの効果が異なってきます。
その違いはそれぞれで扱う商品(為替とETF)の特性によって生まれます。
その特性とはズバリ値動きです。
トラリピの場合
為替の特徴
外国為替市場は二国間の綱引きであることから、「レンジ相場」になりやすい傾向があります。


そのため一方的に上昇し続けることも、下落し続けることもありません。
値動きは基本的に上下を繰り返すのが特徴です。
トラリピでトッピングするメリット
トッピングした後、値動きがトッピング注文の付近を上下する限り、利益を生んでくれます。

レンジを上抜けした場合、追いかける形で再度トッピングを仕掛ければ、継続してトッピングの効果を得ることができます。
トラリピでトッピングするデメリット
一方でデメリットがあります。
値動きがレンジを上抜けする場合は良いのですが、下抜けした場合は資金が拘束されてしまうため、トッピングを仕掛け直すことができません。
この可能性が高いのが、為替相場です。
カナダドル円を例に、次のような検証をしてみました。
【カナダドル円の値動き(2018年1月~2020年12月)】

上図は3年間の月初の始値をグラフで表したものです。
見てわかる通り、75~90円の間でレンジを形成しております。
では毎月月初の始値にトッピング注文を一本ずつ仕掛けた場合はどうなるでしょうか?
資金効率を求めて、上値へ抜けた際は追いかけるとします。
翌月始値が1円上がっていた場合は、前月分までのトッピングを解除し、翌月始値に仕掛け直します。

上図はトッピングを仕掛けた位置の推移を表しています。
少しわかりづらいかもしれませんが、トッピング位置を値動きの上昇に合わせて仕掛け直すため、トッピング位置が徐々に上がっていることがわかります。
これが何を意味するのかというと、高値掴みによる資金拘束です。
【資金拘束されたトッピング】

トッピング位置の推移を別の表現で表しました。
2018年1月~2020年12月時点のトッピング位置の推移になります。
数字は見なくて良いので、皆さんには色を見ていただきたいです。
ブルー:資金拘束されていないトッピング
グレー:資金拘束されているトッピング
資金拘束とはポジションを持ったものの、その後下落し、含み損を抱えた状態のことを意味しています。
例えば、80円でポジションを持ったものの、その後78円に下落したため、含み損を抱えてしまった注文のことです。
つまりトッピングで使った資金のほとんどが、注文を仕掛けてすぐに機能しなくなっているのです。
この表は月の始値だけを見ているので、単純化されています。
しかし、大きな流れとしては機能しなくなるトッピングが多いのです。
トライオートETFの場合
ETFの特徴
ETFの種類によって値動きは全くことなります。
私が運用するTQQQを始めとしたアメリカ株全般は基本的には「上昇傾向が強い」ことが特徴です。


一時的に下落することはあっても、中長期的には上昇するので、下落時にロスカットされなければ、大きく利益を得られる可能性が高いです。
トライオートETFでトッピングするメリット
米株系統のETFにトッピングするメリットは、トッピングを稼働させやすいという点があります。
ここではナスダック100を例に検証してみます。
【ナスダック100の値動き(2018年1月~2020年12月)】

為替と異なり、基本的に上昇傾向なので、トッピングで一時的に高値掴みをしても、割とすぐに高値を更新する可能性が高いです。
つまり上値を追いかけてトッピングを仕掛けても、資金拘束が発生しづらく、トッピング資金を効率的に稼働させることができる点が最大のメリットです。
では先ほどのトラリピと同様、毎月月初の始値にトッピング注文を一本ずつ仕掛けた場合はどうなるでしょうか?
資金効率を求めて、上値へ抜けた際は追いかけるとします。
翌月始値が10ドル上がっていた場合は、前月分までのトッピングを解除し、翌月始値に仕掛け直します。

上図はトッピング位置の推移を表しています。
値動きの上昇に合わせて、トッピング位置も上昇しております。
為替と異なり、上昇傾向が強いので、徐々にトッピング位置が集約されていきます。
【資金拘束されたトッピング】

トラリピと同じように、トッピング位置の推移を別の表現で表しました。
2018年1月~2020年12月時点のトッピング位置の推移になります。
こちらも数字は見なくて良いので、皆さんには色を見ていただきたいです。
オレンジ:資金拘束されていないトッピング
グレー:資金拘束されているトッピング
色で見ると一目瞭然ですが、トラリピ(CAD/JPY)のトッピングと比べて、拘束されている資金が少ないです。
値動きの上昇に合わせてトッピングを仕掛けていっても、高値を更新していくので、資金が拘束される期間は短いということです。
つまり、ETFのトッピングは効率的に機能しやすいのです。
トライオートETFでトッピングするデメリット
トッピングの運用自体でデメリットはありません。
しかし、ETF自体が消滅する「繰上償還」のリスクはどうしても付き纏います。
そのため、トッピングも含め全資金を集約することはおすすめできません。
結論
個人的な見解としては、トライオートETFにトッピングを仕掛けた方が少額の資金を効率的に活用できると考えます。
しかし、今回提示したのはあくまで1通貨、1ETFだけを取り上げた例に過ぎません。
当然通貨やETF、時期によって結果は異なってきます。
ただ私が運用しているTQQQやナスダック100やS&Pなどのアメリカ関連は上昇傾向が強いので、トッピングと相性が良いです。
なのでトラリピとトライオートETFどちらも運用している場合は、トライオートETFにトッピングを仕掛けた方が資金効率は良いと思います。
もしも皆さんがトッピング先を迷っているのであれば、トライオートETFを選んでみてはいかがでしょうか?
それではまた。
当ページに掲載している情報については、その正確性・安全性等を保証するものではなく、あくまでも参考情報の提供のみを目的としており、特定の投資商品の購入・売却を勧誘するものではなく、また取引の安全性を保証するものではありません。
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