トライオートETF

【トライオートETF】TQQQの最適利確幅の検証【後編】

【トライオートETF】TQQQの最適利確幅の検証【後編】

こんちには、辺野もへじです。

TQQQの最適利確幅の検証【前編】では過去11年の週足データを基にした上昇率の割合を求めました。

【トライオートETF】TQQQの最適利確幅の検証【前編】TQQQの最適利確幅を検証しました。今回はその前編になります。...

この記事では週単位の上昇は5~10%くらいが多いことがわかりました。

100ドルで言うと、105~110ドルの上昇が週単位での相場ということになります。

最低週1回の利確を目的とするのであれば、5%~10%の設定が無難と思われます。

今回の【後編】では実際にシミュレーションをして、最適な利確幅を検証していきます。

全体シミュレーション

シミュレーションに使用するのはトライオートETFのシミュレーション機能です。

現在は2年前の2019年1月~2021年5月22現在までシミュレーションが可能です。

金利等も考慮された非常に有用なツールになります。

この機能を利用して、利確幅2ドル~30ドルまでを検証します。

まずは2019年1月~2021年5月現在までの値動きの範囲全体に注文を仕掛けた想定で検証します。

検証結果は下記の通りです。

2019年からのおよそ2年半は「実現利益」と「評価損益を合わせた合計」共に、利確幅24ドルが最適な利確幅であるという結果が出ました。

しかし、にわかには信じられませんでしたので、更に細かい検証をします。

価格別・期間別シミュレーション

前編でも述べたように、TQQQはNASDAQ100指数に連動した%で動くので価格によって動く値幅が異なります。

例)100ドルの10%は10ドル、50ドルの10%は5ドル

そのため価格帯によって最適な利確幅(ドル)は異なるという仮説の下、価格帯に分けて検証します。

上図のように30ドルごと、3つの価格帯に分けてシミュレーションをします。

加えて期間によっても異なるとも考え、4つの期間に分けます。

①2019年1月~12月31日:緩やかな上昇フェーズ

②~2020年3月23日:コロナショックによる暴落フェーズ

③~2020年12月31日:コロナショックからの回復・急騰フェーズ

④~2021年5月21日:直近フェーズ

※各フェーズは2019年1月~2021年5月のシミュレーションにおける途中経過を集計したものになります。各フェーズの個別シミュレーションではありません。

それぞれの検証結果は下記の通りです。

20ドル~50ドル

最適利確幅:30ドル

50ドル~80ドル

最適利確幅:30ドル

80ドル~110ドル

最適利確幅:4ドル

現在進行形の80ドル~110ドル以外は最大利確幅である30ドルが最適。しかも利益は5ドル前後の利確幅のおよそ2倍という衝撃の結果となりました。

現在の80ドル~110ドルも1年~2年後に完全に上抜けすれば、利確幅30ドルが最大利益となっている可能性が高いです。

期間別に見ても、「実現利益」と「評価損益を合わせた合計」において10ドル以上が最適という場合がほとんどです。

辺野もへじの考察・私見

今回の結果から、頻繁に利確するよりも積立投資の如く長期保有する「ガチホ式」が利益を最大化することがわかりました。

上下に大きく動くTQQQはその上下の値幅を上手く取ることで利益を上げられると思い込んでおりました。

しかし、私のTQQQ運用もそうですが、米国株は上昇前提で考えております。そしてこれまで数々の暴落を乗り越えてずっと上昇し続けてきた実績が米国株にはあります。

つまりその実績を基にシミュレーションをしているので、上抜けした価格帯でシミュレーションをすれば、最大利確幅である30ドルが利益最大となるのも当然かもしれません。

積立のインデックス投資を推奨されているように、多くの人が今後も米国株は上場し続ける可能性が高いと考えております。私もその一人であり、だからこそTQQQの高値掴みを恐れずに積極的に集中投資をしているのです。

そうした意味では利確幅30ドルに設定した方が最終的に利益は最大化する可能性は高いでしょう。

しかし、私は利確幅を30ドルには設定しません。

理由は不労所得と精神衛生という観点です。

①不労所得

リピート系の自動売買最大の強みは日々確定利益が口座に入ってくることです。

2021年5月現在の私の場合、3月・4月は30万円以上の確定利益が口座に入ってきました。そして5月現在も既に20万近くの確定利益が口座に入っております。

積立投資と異なり、現金が口座に入ってくるリピート系自動売買は確定利益を多様な用途に使うことができます。

生活費、趣味、再投資、別の投資などなど、常に用途を選択しながら投資を続けられることが最大のメリットであると考えております。

私自身もある程度資産を形成したら、TQQQで得た利益を積立投資を始めとした別の投資に回すことも検討しております。

そのため、あまりに利確幅を広くすると、日々入ってくる確定利益が少なくなり、最大のメリットである柔軟性が失われてしまうのではないかと考えております。

②精神衛生

広い利確幅というのは、精神的に辛くなる可能性があります。

せっかく5ドルや10ドル上がっても全く決済されず、やがて下落して含み益0円という展開の連続です。

全く決済されず確定利益が入ってこない中、「本当に利益が最大化するのか?」「機会損失をしていないのか?」と疑心暗鬼に駆られてしまうことでしょう。

時には月に一度も決済されないということも十分起こり得ます。

そうした状況で、あなたは健全な精神状態でいられるでしょうか?

私は恐らく無理です。

利確幅を30ドルにするくらいであれば、NASDAQやS&P500に積立投資をしながら割り切ってガチホした方が精神的にも良いです。

私は健全な精神状態を保つために、大きな利確幅には設定しません。

利確幅についての総括

TQQQの最適利確幅

ユーザーの目的によって異なる

利益最大化:広ければ広いほど、利益は大きくなる

適度な決済:現在価格の5%~10%

少しでも大きな利益が欲しいという人は利益幅をとにかく広く。

日々の適度な決済が欲しいという人は利確幅を5%~10%に設定すれば良い。

このように個人の好みによって変わってくるという当たり障りのない結論に至りました。

本当はバシッと「この利確幅が最適です!」と提示したかったのですが、そのようなことを言える検証結果ではなかったので、これが正直な考えです。

人によっては当たり前の結果だったかもしれません。

しかし、データを知った上で選ぶのと、知らずに選ぶのとでは、納得感が大きく異なってくると思います。

最適な利確幅は30ドルという結果が出ましたが、私はそれをわかった上で、精神面や日々の利確に重きを置いて、あえて今のままを選びます。

いろいろなデータを探りに探り、検証に検証を重ねた結果なので、「何か私の知らない最適な利確幅があるのでは?」という不安を消すことができました。

結論:「最適な利確幅はあなたの心の中にあります」

今回の検証を通して出した私の結論です。

辺野もへじ

今回の前後編の記事が皆様が利確幅を設定する上で、ひとつの参考になればと思います。

それではまた。

当ページに掲載している情報については、その正確性・安全性等を保証するものではなく、あくまでも参考情報の提供のみを目的としており、特定の投資商品の購入・売却を勧誘するものではなく、また取引の安全性を保証するものではありません。

投資・売買に関する最終決定はご自身で判断いただきますようお願いいたします。