トライオートETF

【トライオートETF】TQQQの最適注文範囲について検証(設定案公開)

【トライオートETF】TQQQの最適注文範囲について検証(設定案公開)

こんにちは、辺野もへじです。

今回は現在私が運用するTQQQの最適注文範囲について検証いたしました。

過去10年のデータを基に、どの範囲に注文を仕掛けるのが最も効率が良いのかを調べ、最後に設定案をご紹介いたします。

是非参考にしていただければと思います。

TQQQとは

TQQQの正式名称は『ProShares UltraPro QQQ』です。

投資会社『ProFunds Group』のグループ会社である『ProShares』が提供するETFになります。

TQQQはNASDAQ100(QQQ)の3倍(トリプル)の値動きをするレバレッジETFです。

QQQが10%上昇すれば、TQQQは30%上昇

QQQが10%下落すれば、TQQQは30%下落

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: TQQQvsQQQ-1024x601.png
Bloombergより引用 オレンジ:TQQQ、青:QQQ

プロの投資家向けの商品ではありますが、値動きが激しい分、リピート系の自動売買との相性が良いです。

トライオートを始めとした自動売買は上下の値動きの総推移を利益に変えます。

つまり上下に良く動き、その幅も大きければ大きいほど利益が大きくなります。

その点、3倍の値動きをするTQQQは自動売買にうってつけのETFと言えるでしょう。

TQQQに関する詳細は下記参照

【トライオートETF】TQQQの上場廃止(繰上償還)リスクについて検証今回は上場廃止のリスクについて、海外の記事を中心に調べました。本記事では調査結果をご報告いたします。...

過去10年のデータ検証

過去10年の期間で見ても、TQQQは右肩上がりであることはわかると思います。

TQQQを運用する上で大切なのは、長期で上昇する中でどこまで下落を拾う設定にするかだと考えます。

注文範囲について

①広い注文範囲

上図のように、大きな下落も考慮して広い範囲に注文を仕掛けると、暴落時にかなりの安値まで拾うことができますが、頻度は多くありません。

普段はどうしても未稼働の注文が発生してしまいます。

②狭い注文範囲

一方で上図のように注文範囲を狭くすると範囲内で動く限りは資金効率が良くなります。

しかし、少し大きな下落が起こると、注文範囲を下抜けしてしまい、安値を拾い損ねてしまいます。

また下落先でヨコヨコ展開となってしまうと、その間は利益を生んでくれません。

③理想的な注文範囲

理想的には上図のように、注文範囲の最下限で拾うことで注文がフル稼働し、資金を効率的に運用することができます。

「そんなことできたら苦労しないよ」という声が聞こえてきそうですが、過去の相場を分析することで、限りなく理想的な範囲を追い求めて検証します。

過去11年の値動き

【前月高値から翌月安値への下落率(2010年4月~2021年3月)】

始値高値安値終値下落率
2010年4月1.181.351.131.23-5.0%
2010年5月1.251.30.710.95-47.4%
2010年6月0.941.080.770.77-40.8%
2010年7月0.7810.720.94-33.3%
2010年8月0.981.020.770.8-23.0%
2010年9月0.831.20.831.14-18.6%
2010年10月1.171.391.081.37-10.0%
2010年11月1.381.511.291.35-7.2%
2010年12月1.411.591.411.54-6.6%
2011年1月1.591.791.581.67-0.6%
2011年2月1.711.951.671.82-6.7%
2011年3月1.841.871.461.78-25.1%
2011年4月1.81.951.581.93-15.5%
2011年5月1.941.951.681.85-13.8%
2011年6月1.841.851.431.72-26.7%
2011年7月1.731.971.71.79-8.1%
2011年8月1.861.871.091.44-44.7%
2011年9月1.451.621.21.24-35.8%
2011年10月1.21.731.071.63-34.0%
2011年11月1.511.711.221.46-29.5%
2011年12月1.161.561.31.42-24.0%
2012年1月1.51.831.471.8-5.8%
2012年2月1.832.221.812.16-1.1%
2012年3月2.192.62.042.5-8.1%
2012年4月2.492.612.162.39-16.9%
2012年5月2.392.481.791.9-31.4%
2012年6月1.82.141.722.09-30.6%
2012年7月2.092.191.872.13-12.6%
2012年8月2.182.562.052.48-6.4%
2012年9月2.462.762.392.53-6.6%
2012年10月2.572.662.112.14-23.6%
2012年11月2.172.261.792.2-32.7%
2012年12月2.252.292.012.16-11.1%
2013年1月2.322.422.262.33-1.3%
2013年2月2.372.462.222.34-8.3%
2013年3月2.312.552.282.54-7.3%
2013年4月2.552.722.312.72-9.4%
2013年5月2.723.232.673.01-1.8%
2013年6月3.023.082.542.77-21.4%
2013年7月2.843.382.793.33-9.4%
2013年8月3.393.523.213.27-5.0%
2013年9月3.353.853.283.76-6.8%
2013年10月3.754.423.44.31-11.7%
2013年11月4.354.784.094.75-7.5%
2013年12月4.785.184.475.18-6.5%
2014年1月5.115.344.64.85-11.2%
2014年2月4.825.724.425.59-17.2%
2014年3月5.445.794.915.12-14.2%
2014年4月5.215.484.355.02-24.9%
2014年5月5.045.734.75.7-14.2%
2014年6月5.726.285.576.24-2.8%
2014年7月6.36.956.176.43-1.8%
2014年8月6.397.426.197.42-10.9%
2014年9月7.487.616.987.21-5.9%
2014年10月7.167.775.447.69-28.5%
2014年11月7.738.837.528.79-3.2%
2014年12月8.718.757.328.12-17.1%
2015年1月8.248.397.217.56-17.6%
2015年2月7.619.427.259.28-13.6%
2015年3月9.339.548.258.59-12.4%
2015年4月8.579.968.279.03-13.3%
2015年5月9.139.878.69.6-13.7%
2015年6月9.759.918.758.87-11.3%
2015年7月9.1110.748.5410.05-13.8%
2015年8月10.0610.325.457.91-49.3%
2015年9月7.328.876.667.27-35.5%
2015年10月7.3210.1879.97-21.1%
2015年11月10.0510.558.9710.11-11.9%
2015年12月10.2210.578.869.52-16.0%
2016年1月8.899.086.137.51-42.0%
2016年2月7.397.655.627.06-38.1%
2016年3月7.278.767.218.57-5.8%
2016年4月8.469.057.567.76-13.7%
2016年5月7.768.787.458.76-17.7%
2016年6月8.678.846.858.03-22.0%
2016年7月8.099.957.849.9-11.3%
2016年8月9.8710.589.6110.15-3.4%
2016年9月10.2110.919.5510.81-9.7%
2016年10月10.710.981010.26-8.3%
2016年11月10.2910.859.3710.36-14.7%
2016年12月10.2111.459.7210.54-10.4%
2017年1月10.8712.6910.7212.29-6.4%
2017年2月12.6114.1412.3813.94-2.4%
2017年3月14.1714.8713.7914.79-2.5%
2017年4月14.8416.0214.1115.93-5.1%
2017年5月16.117.9315.9217.7-0.6%
2017年6月17.8518.7315.8816.43-11.4%
2017年7月16.619.4415.7218.35-16.1%
2017年8月18.4519.3617.1119.29-12.0%
2017年9月19.4819.4917.8219.12-8.0%
2017年10月19.2321.818.8821.66-3.1%
2017年11月21.9723.6121.1222.95-3.1%
2017年12月22.6924.621.6323.19-8.4%
2018年1月23.430.4423.429.46-4.9%
2018年2月29.2629.7620.2727.83-33.4%
2018年3月27.9431.8722.2224.14-25.3%
2018年4月23.6526.8821.224.02-33.5%
2018年5月23.8628.8223.1427.97-13.9%
2018年6月28.6132.1427.5228.78-4.5%
2018年7月27.9934.4927.9430.69-13.1%
2018年8月31.2636.7930.7136.32-11.0%
2018年9月35.8636.1332.8135.59-10.8%
2018年10月36.5236.8122.0526.33-39.0%
2018年11月26.5828.7820.4625.38-44.4%
2018年12月27.0727.1815.1518.42-47.4%
2019年1月17.6423.9617.0223.66-37.4%
2019年2月23.3926.2922.9125.55-4.4%
2019年3月26.1430.0323.8728.42-9.2%
2019年4月29.3634.0928.9433.16-3.6%
2019年5月33.7334.0625.1825.27-26.1%
2019年6月25.1832.3123.1830.89-31.9%
2019年7月32.7435.331.8133.07-1.5%
2019年8月33.6834.9126.9630.36-23.6%
2019年9月3033.8429.1730.84-16.4%
2019年10月31.5235.1927.5634.5-18.6%
2019年11月35.1739.5135.0538.97-0.4%
2019年12月38.844.7535.8443.46-9.3%
2020年1月44.8251.6243.4647.15-2.9%
2020年2月48.1759.5434.0737.18-34.0%
2020年3月39.3845.8416.2523.84-72.7%
2020年4月22.1735.3220.4234.93-55.5%
2020年5月33.3241.7231.1841.69-11.7%
2020年6月41.2551.4540.2149.38-3.6%
2020年7月49.4563.1448.7659.35-5.2%
2020年8月61.8382.4658.8981.75-6.7%
2020年9月82.0988.1554.3466.41-34.1%
2020年10月68.7779.5756.9957.68-35.3%
2020年11月60.0579.7257.0278.91-28.3%
2020年12月80.491.9578.0390.99-2.1%
2021年1月91.58105.4383.6791.99-9.0%
2021年2月94.74112.1586.5890.68-17.9%
2021年3月93.5397.575.3491.44-32.8%

上表は過去11年分の月足の数値データになります。

※株式分割の影響で過去の価格が数ドル台になっておりますが、上下の%は同じです。

前月高値から翌月安値までの下落率を算出しました。

結果をグラフにまとめると以下の通りです。

上表は合計132か月(11年)における前月高値から翌月安値の下落率を回数でまとめたものになります。

ご覧の通り、最も多い下落が《-5~-10%》、次に多いのが《-10~-15%》になります。

逆に最も少ない下落が《-50%~》と《-45~-50%》になります。

それぞれの回数と比率の数値は下表の通りです。

比率的に下落のおよそ7割が《-20%》以内に収まっていることがわかります。

更に単月のみでなく、2か月以上連続で安値を更新した回数も確認いたしました。

11年間で2か月以上連続で安値を更新したのは9回であり、連続安値更新のMAXは3か月であることがわかります。

これは直近のコロナショックであっても、下図から同様のことが見て取れます。

月をまたがる下落自体が珍しく、かつ2、3か月で回復傾向があるので、一時的に高値掴み状態となってもあまり気にする必要はありません。

つまり暴落先の安値圏はあまり注文を入れる必要はなく、《-40~-50%》の範囲には最低限の注文を仕掛けておけば良いと考えます。

TQQQ設定案

これまでの内容から、TQQQの最適と思われる設定を考えます。

前述した通り、TQQQの設定で最も大事なのは効率良く下落を拾うことです。

未稼働の注文をできる限り減らし、仕掛けた注文をできる限り多く稼働させることが理想です。

そこで過去11年のデータを基に、仕掛ける注文に濃淡をつけます。

具体的なドルではなく、%と表している理由は価格の上下や株式分割で価格がその時々で変わるからです。

注文を仕掛ける際の価格を基準として算出する形となります。

【具体例①】

【具体例②(現在)】

※実際に注文を仕掛ける際は、価格上昇を考慮して現在の価格で設定を算出した後、+5~10ドルくらいの位置から設定すると良いと思います。

上の+幅は好みですが、上抜け都度、設定し直す前提なので、5~10ドルくらいが妥当です。

あまり広すぎると資金効率が悪くなります。

【具体例②を資金100万円で運用する場合の注文設定イメージ】

仕掛ける本数は0ドルまで耐えられる設定を算出できるあっきんさんが作成された表を参考にしてください。

濃淡をつける設定の狙い

通常時:良く動く範囲に注文を密集させることで、大半の資金を稼働させる。

暴落時:注文本数は少ないが、稀に起こる暴落時に安値で拾えるようにする。下の10%エリアの利確幅を少し広めに設定するのも〇

TQQQ設定総括

いかがだったでしょうか?

TQQQに限らず右肩上がりのETFをトライオートで運用する場合は、いかに効率的に下落を拾うかが重要だと考えております。

下落してもいずれ回復する見込みが高いので、安値を取り損ねないようにする一方で、稼働しない無駄な注文を減らすことが大事です。

その理想的な注文範囲を求めて過去11年のデータを基に検証いたしました。

感覚ではなく数値的根拠をもって設定すると、納得感も深まりますし、駄目だった場合の検証をすることができます。

辺野もへじ

皆様の参考になれば幸いです。

私も現在の設定が整理できるタイミングでご紹介した設定に移行する予定です。

今回は注文範囲が主題だったため、利確幅については検証しませんでした。

利確幅は好みの問題であるのと、価格帯によっても異なってくると思いますので、ご自身で探ってみていただければと思います。

それではまた。

当ページに掲載している情報については、その正確性・安全性等を保証するものではなく、あくまでも参考情報の提供のみを目的としており、特定の投資商品の購入・売却を勧誘するものではなく、また取引の安全性を保証するものではありません。

投資・売買に関する最終決定はご自身で判断いただきますようお願いいたします。