トライオートETF

【トライオートETF】禁断のTQQQ「売り」設定について仮説検証

【トライオートETF】禁断のTQQQ「売り」設定について仮説検証

こんにちは、辺野もへじです。

今回は禁断とも言えるTQQQの売り設定について仮説検証しました。

TQQQに限らず、基本的にNASDAQ100やS&P500などの米国株系指数は長期的に上昇傾向が強いです。それ故に積み立て投資の王道として人気が高いです。

そのためトライオートETFであっても、上昇を前提とした「買い」で設定することが常識です。

しかし、私は常に効率的な資産運用を目指しているので、今回は先入観なしで仮説検証してみました。

結論:TQQQの「売り」設定はするべきではない。

わかりきったことではありましたが、仮説をもって検証した結果、「売り」設定はやはり損失を招くことがわかりました。

今回はなぜ「売り」設定をすべきではないか、皆様が納得感を持って諦められるように、仮説検証結果を基にご説明いたします。

「売り」設定を検証したきっかけ

そもそも禁断でもあるTQQQの「売り」設定を検証したきっかけは、以前《最適注文範囲》の記事でご紹介した下落頻度です。

【トライオートETF】TQQQの最適注文範囲について検証(設定案公開)今回は現在私が運用するTQQQの最適注文範囲について検証いたしました。過去10年のデータを基に、どの範囲に注文を仕掛けるのが最も効率が良いのかを調べ、最後の設定案をご紹介いたします。...

記事の中でご紹介した↓の表からわかる通り、前月高値から翌月安値への下落は一定数あります。

そこで私はふと思いました。

下落で「買い」ポジションを獲得しつつ、「売り」も上手く設定すれば下落時でも利益が発生し、効率的な資産運用ができるのではないか?

下図のように、TQQQは上昇が前提にあるので、損切をしなければ損失額は膨れ上がってしまいます。

しかし逆に損切をきちんと調整すれば、「売り」設定でも上手く稼げるかもしれないという仮説が浮かびました。

利確額>損失額

これをクリアできる設定を考えられれば、上昇相場でも下落相場でもどちらでも稼ぐことができる状態となります。

この設定を導き出すために2つの設定を検証しました。

検証①注文ごとに損切設定

検証①の設定

注文1本ごとに損切を設定し、こまめに利確と損切を繰り返す設定です。

この仮説をトライオートETFのシミュレーション機能を用いて、価格帯と利確:損切の比率で検証しました。

過去の相場から明らかな通り、米国株系指数は上昇が前提です。そのため現在の高値はいずれ上抜けすることを想定しなければなりません。

そのため、最終的に売り注文ゾーンを上抜けした際に、利確額>損失額となっていることが大切なので、上抜けすることがわかっている過去の相場を基に検証しました。

【売り注文停止条件】

売り注文ゾーンから10ドル上抜けした場合、稼働停止

理由:10ドル上抜けした時点で、高値圏ではなくなる。

→価格帯が売りに適さなくなる。

検証①シミュレーション結果

80ドル~70ドルの価格帯以外、利確額<損失額という結果となりました。

詳しい考察は検証②と合わせて行います。

検証②売りゾーンを上抜けした際に損切

検証②の設定

注文1本ごとに損切設定はせず、売り注文を入れたゾーンを上抜けした際に、まとめて手動損切をする設定です。

注文単位での損切をなくすことで、売り注文ゾーン内での上昇時の損切をなくす狙いがあります。

【売り注文損切・停止条件】

売り注文ゾーンから10ドル上抜けした場合、損切・稼働停止

理由:10ドル上抜けした時点で、高値圏ではなくなる。

→価格帯が売りに適さなくなる。

損切する価格は検証①と同様に、売り注文ゾーンを10ドル上抜けした時点としました。

10ドル上抜けした段階で高値圏ではなくなり、なかなか売り注文ゾーンに戻ってきません。

そのため更に上昇して、取り返しがつかなくなる前に損切します。

検証②シミュレーション結果

検証①と同じく、80~70ドルの売り注文以外、利確額<損失額という結果となりました。

次に80~70ドルが他と何が異なるのか、検証します。

価格帯別の値動き

《利確額<損失額》の価格帯

まずは利確額<損失額となった価格帯を見ていきます。

【100ドル~90ドル】

売り注文ゾーンに入った後、多少ヨコヨコで推移した後、右肩上がりで10ドル上抜けし、110ドルに到達してしまいました。

これでは売り注文が利確するタイミングが少なすぎます。

【90ドル~80ドル】

2020年8月に売り注文ゾーンに入りましたが、すぐに下抜け。ここで利益を上げています。

その後ゾーンの下で推移した後、11月末に再びゾーンに入ると、こちらも右肩上がりで上昇し、ゾーンを10ドル上抜け、100ドルに到達しました。

こちらの価格帯も十分に売りで利益を上げる暇がなかったと言えるでしょう。

【70ドル~60ドル】

2020年7月に少しゾーンに触れたものの、こちらも再度ゾーンに入った後は一方的な上昇で10ドル上抜けし、80ドルに到達してしまいました。

《利確額>損失額》の価格帯

次に唯一利益が上回った価格帯の値動きを見ていきます。

【80ドル~70ドル】

売り注文ゾーンに入った当初は一方的な上昇で上抜けをしました。しかし、その後一気に下落し、全ての建玉が利確されました。

その後もゾーンの上までいきつつ、60ドル付近まで下落するという理想の展開となっており、最終的に90ドル到達時に稼働停止した際は、利確額が損切額を上回るという結果となりました。

TQQQ「売り」設定 総括

検証の結果、利益を上手く出せた価格帯は4つのうち1つだけとなり、TQQQの「売り」設定はやはり分が悪いということがわかりました。

TQQQは値動きが大きい分、上下でガチャガチャと動いてくれれば、利確額が上回ることもあるのではと考えました。

しかし、想定以上にTQQQの上昇力が強く、あっという間に以前までの高値圏が安値圏へと変貌いたしました。

下手に「売り」で利益を狙って損失を喰らうよりも、大人しく「買い」で待ち続ける方が結局効率が良いという結論に至りました。

逆に言うと、今は高値圏に思える価格帯でも、我々が思っている以上に早く上昇する可能性が高いということに他なりません。

トッピングで上手く下落を拾おうと安値圏に注文を仕掛けることもありますが、下落せずにそのまま上昇してしまい、機会損失する可能性も示唆しております。

今回の結果から、直近で下落が予測されるイベントや、大きく価格が動くイベントがない場合は、安値でポジションを拾うことに拘らず、どんどん今の価格付近にトッピングを仕掛けていこうと思います。

辺野もへじ

下落予測に自信がある場合でも、「売り」は裁量取引にとどめておきましょう。

私はTQQQの「売り」注文は裁量でもする予定はありません。

アメリカの強さを信じるのみです笑

当ページに掲載している情報については、その正確性・安全性等を保証するものではなく、あくまでも参考情報の提供のみを目的としており、特定の投資商品の購入・売却を勧誘するものではなく、また取引の安全性を保証するものではありません。

投資・売買に関する最終決定はご自身で判断いただきますようお願いいたします。